鈴木盛夫
盛夫レポート
戻る
No.02
 自衛隊イラク派兵、閣議決定(03.12.14)

 政府与党が自衛隊イラク派遣を閣議決定した。
今回のイラク問題は選挙前からの争点であったが、選挙時には先送りし、今回決定となった。

  【自民党は総理の気持ち、民主党はルール】

 この問題については様々な報道がなされており、既に多くの国民は自身の意見を持っておられると思う。根本の部分は、最高権力者(総理大臣)の気持ち一つで軍隊の出動をして良いのか、あるいは明確な行動基準、ルールに従うべきなのか、と言う問題であると私は思う。前者が与党の考え方であり、後者が我々民主党の考え方であることは言うまでもない。与党が「国連合意を得られない中でイラク攻撃をしてしまったが、日本は国連ではなくアメリカについていく。それが国益だ。」と明言すれば良し悪しはともかく、一つの考え方であろう。そう言ってもらえれば、「アメリカとの関係は重要だが国連決議が優先であり、前提だ。」という我々民主党との違いが明確になり、またアメリカであろうが国連であろうが紛争には参加しないという他の野党との違いも明確になる。

  【無法国家の暴走を止める最後の手段】

 世界には独裁的無法国家が幾つかあるが、他国が国家体制そのものに文句を付けることは内政干渉である。しかし民族的、宗教的な虐殺、91年のイラクのクウェート侵攻のような時は別だ。私をはじめ戦争をしたいという人は誰もいない。しかし経済制裁等も含めた外交努力が一切通じないときに限り、最後の手段として力ずくで押さえ込まなければならない。だがそれは一国や数国で決めることではなく、国際社会全体(完全でなくとも国連しか今はない)が決めることである。その場合に日本は自衛に関する憲法9条のルールとは別の考えに乗っ取って、危険な仕事も含め行動をとるべきである。私はその意味で自衛隊とは別組織(国連待機軍)を日本が持つべきだと考えている。

【今の日本はジャイアンについて行くだけのスネオ】

 例えば、家庭内暴力のひどい父親がいた時に、近所の何人かが協力してその父親を追い出し、その家を仕切ろうとする行為は悪意が無くても社会では通じない。「悪いのは父親だ。子供達がかわいそうじゃないのか。」と言うことは通じないのである。その為に社会から認知された警察組織がある。国際社会においても同じ事。例えて言えば日本は、ヤドラえもんユに出てくる番長・ジャイアンの自己満足な正義感で起こす行動に付いていくことが自分にとってプラスだと思っているスネオ(ジャイアンの後ろに付くだけの喧嘩の弱いお金持ちの少年)だ。その時々は上手く立ち回るが、誰からも尊敬されず、ジャイアンにもいいようにこき使われるだけである。
(※ ドラエモンをご存知無い方、申し訳ありません)

【国際社会における名誉ある地位とは】

 以上述べたように、世界平和維持のため、最後には武力を行使せざるを得なくなることを私は否定していない。しかしそれは本当に最後の手段であって、世界中の国々が万策尽きた時、合意のもとでしか許されないというのが私の意見である。同時にその合意は無法者(国家)を打倒することではなく、無法者(国家)の暴走を止めることにある。武力によって問題の本質は解決できないが、暴走行為を止めなければ先のステージには進めない。
 「テロとの闘い」「フセインが悪い」と感情に訴えて戦争をした米国、「国益のため」「イラク人を救う」と言ってついて行く日本。
 そんな独善的感情論に乗せられてはいけない。小泉総理が国民への説明で言った憲法前文「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」のであれば、短絡的に米国に追従するのではなくイラク平和に向けた国際合意形成に日本は全力を尽くすべきである、と同時に国際合意には全面的に従い行動するという立場を明確にすることである。

鈴木盛夫
ご連絡先 / Tel 03(5347)9808 Fax 03(53479807)